獅子舞の元祖
          屋台獅子に変っていくのは       屋台獅子の屋台 

南信州の獅子舞

長野県全域は日本の獅子舞の縮図ともいうべき地域です。

日本の獅子舞のすべての要素がこの長野県に集まっている。

と民俗学者の三隅治雄先生はお話しされました。

飯田下伊那地域に多い獅子舞は

1.大神楽獅子   2.屋台獅子   3.鎮めの獅子



1.大神楽獅子 :赤塗、金色の目、鼻が獅子鼻の頭に幌幕が付いている。
      
    
           オンべや御幣、鈴、を持っての舞。最後に剣を持って


           悪魔払いのご祈祷を行う。



2.屋台獅子  :二人立ちの獅子に屋台がくっついています。

          赤や黒の獅子頭の後ろに幌幕があり、そこに何人もの人が入る。

          舞手だけでなく囃子方も全員入り練って歩きながら獅子を舞う。


              非常に特殊な獅子舞形態です。日本中でこの地区だけのものです。


3.鎮めの獅子 :獅子に対して天狗のお面をつけた鎮目さまが出てきて

           獅子を鎮める。暴れる獅子を鎮めることにより

           悪霊退散の呪にする。南信州だけの獅子舞です。


           新野の雪まつりの最後に登場する獅子舞です


獅子舞の元祖  舞楽獅子〜屋台獅子
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飯田下伊那地方で行われている“屋台獅子”の源流となるのは

大島山瑠璃寺の獅子舞」であろうと言われています。

奈良時代に行われた 伎楽・舞楽の中に、鼻高仮面の役が先導役として

子を導く舞があります。

瑠璃寺の獅子舞の宇天皇が獅子を引っぱって歩く所作の原型となっている

と言われます。

屋台獅子(練り獅子)に変わっていくのは・・・


   
屋台獅子は、頭の後ろにつけた幌幕に囃子屋台を入れてしまい、お囃子と

     獅子舞を一体の物とし練り歩く獅子舞です。

     南信州の人たちは、お練り祭りを機に少しでも大きく、華やかで人目を引くような方法

   を考える中で、囃子屋台と獅子舞を合体させてにぎやかな大勢で舞う獅子舞を創り出した

   のではないでしょうか

   また、オカメやヒョットコ、など 面白おかしい狂言的なものも取り入れ伊勢や

   尾張方面の太神楽にあったものを取り込んだものと考えられます。


     南信州では囃子屋台の演奏が昔から盛んで、祭りと言えば囃子屋台を繰り出す風潮が

   あったと言われます。
屋台獅子の屋台                    上に戻る
1.獅子の体を表す“布”について。

  幌(母衣(ほろ))と言います。黒い色・白い色・青い色・緑色と様々です。

  屋台獅子の源流である大島山瑠璃寺系列の獅子の幌は、黒色のものが多く見られます。

 南信州の獅子の半数は黒い色の幌をもつ獅子です。


 緑色の幌の獅子はこの地方には少なく珍しいものですが、青色の幌の獅子はよく見かけます。

 
一説によれば、昔中国では獅子の体の色は緑色だと考えられていました。

  これは文殊菩薩様が騎乗する獅子の色が緑色であったからだと言われています。

  青色の母衣の獅子が多いのは、青色は復活の色として古来より尊重されている色で

 あることと、緑のことを青と呼ぶこともあり青い獅子が多いのではないでしょうか?

  また、母衣に(鼎中平獅子舞の幌の模様)の模様が見られます。

  この模様は“渦巻紋”で唐草模様ではありません。ライオンの毛並みの模様の名残だと

 言われています。


  母衣の模様にもいろいろな形がありますが、“渦巻紋”を変形させたデザインであると

 考えられます。
白い色の幌は祭りが終わった後で繭を入れる袋として使用したという話

 聞いたことがあります。


2.屋台について
屋台幅およそ2メートル、長さおよそ6メートル

高さおよそ
2.5メートル

囃子方の入る獅子の胴は鋼材や木枠で製作されています。
 屋根の部分は青竹を割り半円形にしなわせ、何本も渡し獣の胴を表すように仕上げます。

 
屋台の木枠には前後に2つの車輪を付けて練り歩く形のもの。

 車輪は無く
人が担いで練り歩く形のものがあります。

 大勢の人が幌の中に入り 大太鼓、小太鼓、締め太鼓、笛などを演奏しながら

 ゾロゾロと歩きます。


 獅子の胴体に囃子屋台をはめ込んだ形です。

 胴体の上部(尾にあたる部分)は獅子の尻尾に

 見立てて
竹を束にして紙の花飾りを付けます。

 獅子花、尾花、オンボなどと呼ばれます。

   

花の形も直線状の物、枝に付いている形のもの、などいろいろな種類があり色とりどりで

とても奇麗であり、これも各獅子舞の魅力の一つです。

稲などの生り物の花を象徴していて、家に持ち帰り神棚に

飾ったり、蚕の箸として使用したり、豊作養蚕のおまじない

になると言われています。


獅子舞には豊作祈願のおまじないになるとか、災害除けの

おまじないにするとか
呪術的効用が説かれることが

多くあります。これが原因となり各地の農村で獅子舞いが

保存伝承されていると言われます。


 
 

 執筆者 南信州獅子舞フェスティバル実行委員会 戸崎 敬


参考文献
 「芸能の谷 伊那谷」   三隅 治雄 著   新葉社
 「伊那の芸能」      村沢 武雄 著   伊那史学会
 「伊那」 伊那谷の獅子舞・特集号 89.4月号〜94.4月号  伊那史学会

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